過食・過食嘔吐を克服するキーポイント

この過食や過食嘔吐を

「いかに負担のかからない」

「いかに早く克服するために」

過食や過食嘔吐で悩んでいる方々の誰しもが悩む問題です。

 

過食と過食嘔吐を経験してきた過去の私もその問題について、何度も探し求めてきた点です。

また、カウンセラーとしての今も確かなものを探し続けています。

 

しかし、探し続けていても人は目標や目的、焦点というものが欲しい生き物で、この目標や目的、焦点があるからこそ生きていく生き物だとも言えます。

 

そこで、現段階で、

日本の情報社会と世界の教授の考えから導き出し言葉にしたものをここに掲載します。

 

単刀直入に言ってしまうと、過食、過食嘔吐を克服するためには、

 

「〇〇さえやればいい」

「〇〇だけで簡単に克服」

という概念を捨てることです。

 

「えっ!? じゃあ、どうすればいいの?」

と思われるかもしれません。

 

そのため、カショケアでは、

過食や過食嘔吐を

克服していくための一つの考え方

として、主に

BioPsychoSocial(バイオサイコソーシャル)モデル

を採用しています。

BioPsychoSocialモデルとは?

3つの単語からなる回復モデルで、

BioPsychoSocial

  • Bio = biomedical生物学的アプローチ、身体の面
  • Psycho = psychological心理学的アプローチ、メンタルの面
  • Social = social や environmental 社会的、環境的アプローチ、社会からの援助、もしくは現実の学校や社会との適合の面

3つそれぞれが独立しているのではなく、それぞれの分野が関係しあって病気や症状を改善、治療していくという考え方です。(図1)

図であらわすと関係し合うというより重なり合っているという状態です。

BioPsychoSocialモデルの簡単な歴史

アメリカのミシガン州立大学のRobert C. Smith MD(医師)によると、BioPsychoSocialモデルのはじまりは

George Engelが1977年にBioPsychoSocialモデルを提唱し、今までの医学を科学として理解するための画期的な指標となった。(Smith, 2002年)

そして、現在の生物学的アプローチの治療法に、心理的アプローチや社会的アプローチが関係し合うモデルに進化していったのです。(本来はもっと細かい説明があるのですが、ここでは割愛します。)

日本での認知度

BioPsychoSocialモデルは、日本では「生物心理社会モデル」と呼ばれています。生物心理社会モデルの採用場面としては、生物的医療の場(例えば、糖尿病患者や疼痛治療など)で、心理面や社会面を付け加えて治療を施しています。

この「生物心理社会モデル」という言葉自体はここ近年の間に作られました。

あなたに一つご質問をします

このようなことを聞いたことはありませんか?

「先生や看護師さんが良く話を聞いてくれる」
「行政への手続きサポートがあるから便利」

などという良い評判や口コミです。

これらは、細かい点では異なるかもしれませんが、結果的に「生物心理社会モデル」を採用したかたちになっているのではないでしょうか?
口コミに繋がったのは、患者様やクライアント様ご自身やそのご家族が、実際に良い体験をされたから。

カショケアでもそのようなクライアント様ご自身やそのご家族が結果的に良い状態になることができるようなサポートをさせていただきます。

また、日本で心理面や摂食障害で「生物心理社会モデル」を採用しているというカウンセラーは聞いたことが今のところありません。メンタル関連では、この前まではアドラー心理学が流行っていましたね。摂食障害では、認知行動療法やNLPあたりでしょうか?
自然に生物心理社会モデルを採用されているカウンセラーの方もいらっしゃるとは思いますが、もしかしたら、「生物心理社会モデル」を採用していると記載しているのは、日本でカショケアが初めてではないかと思います。

実際に私もそうですが、過食や過食嘔吐を克服した方に伺うと、〇〇だけで克服した人はほとんどいなく、何かしら並行して行なっていることがほとんどです。例えば、心理学の面や体調の面、そして、生活環境や人間関係、学校や職場の検討など、多くの考慮や選択、行動をしているのです。

「生物心理社会モデル」という言葉自体はあまり浸透していませんが、過食や過食嘔吐を克服した方からすると、至極自然な流れなのです。

BioPsychoSocialモデルを過食・過食嘔吐に当てはめると

治療というと、一般的に生物学的アプローチがふつうですが、それを過食や過食嘔吐に当てはめるとどうなるのでしょうか?

例えば、、、あなたは経験がありませんか?

過食や過食嘔吐など摂食障害で悩んでいるので病院に行くと、5分間の診察で薬の処方箋をもらうだけ。嘔吐して胃がムカムカしているようであれば、胃薬の処方。それが生物学的アプローチです。

とはいうものの、

厚生労働省が管轄する『知ることからはじめよう。みんなのメンタルヘルス総合サイト』に、そもそも

摂食障害に特異的な薬物療法は存在しないのが現状です。( 厚生労働省, N.D. )

と記載があるとおり、

摂食障害に特効薬はなく、簡単に克服できないと国が認める病気です。

中には効果のある方もいらっしゃると思います。効果はゼロではないでしょう。

薬の効果が多少あったとしても、それだけでは患者様やクライアント様の問題解決はしていないのです。

クライアント様の心の中では

「いつまでこの過食は続くのだろうか?」
「職場(学校)の人間関係がつらい…」
「ストレスがあるとどうしても過食したくてたまらなくなる…」

などの精神的問題をはじめ、

「(家族との仲も良くないし)家にあまり帰りたくない」
「仕事(もしくは勉強)がうまくいかない」
「金銭面が不安だ」

などのその置かれた状況、環境、社会的問題も同時に起きているのが現実なのです。

そのため、「身体」「メンタル」「環境」この3つがそれぞれに独立しているのではなく、関与し合っていることを理解し、いかにあなたに合った解決策を見つけるのかが、過食や過食嘔吐の克服に一番の近道なのです。

とは言うものの、正直に申し上げますと、私はあくまでもカウンセラーとしての立場です。医師免許、薬剤師、社労士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護保険福祉士等…ライセンスは持っておりません。そのため、BioPsychoSocialモデルを活用するときには、下記の図2で囲われた部分をメインに取り扱ってカウンセリングをしてまいります。

その他に、私の体験してきた食事や体、申請書類に関する体験談の提供、医師法や薬機法(旧薬事法)に抵触しない範囲での活動サポートをいたします。

そもそも全てを一人で網羅している医師や〇〇士の方はいらっしゃらないことと思います。もし可能性としてあり得るのは、大きな組織になればできるかどうかです。しかし、組織が大きくなればなるほど、売上や利益追求型になる傾向があるため、クライアント様のためになるかどうかは疑問が残るところです。

 

過食を克服していくあゆみ

 

「どうやって過食(過食嘔吐)は克服できますか?」

よくお問合せをいただく内容です。

もちろん、私も何度も心の中で疑問に感じ、とても悩んだ質問です。

現段階で一番、実際の克服の流れに合っているものは、次の図3の説明です。

これは、イギリスのサリー大学で健康心理学の教授であり、過食に関しても本の出版されているジェーン・オグデン氏の資料を訳したものです。

オグデン教授によると、

「健康心理学は、全てのステージで健康に影響を与える心因的要因を探し、徐々に繋がっていくものとして、健康や病気を重視する」(Ogden, 2017)

と述べています。

これはどういうことかというと、

  • 過食や過食嘔吐の発症
  • 過食や過食嘔吐を回復していくための適応
  • 過食や過食嘔吐を克服

全てに関して心因的要因が関係しているということです。


もっと具体的な例としては、こんなことを経験したことはありませんか?

「イライラ(もんもんと)して、過食しちゃった」
「過食(嘔吐)しないと決めたのに、過食(嘔吐)しちゃった」

この自分で決めたのになぜかうまくいかず、失敗してしまう行動に心理学が関係しているということです。

 

そして、

  • なぜ、過食をしてしまうのか?
  • 何が過食をしてしまう引き金になってしまうのか?
  • 過食や嘔吐をすると、都合がいいことはあるのか?….等

クライアント様ご自身と一緒に背景を探ることが必要になってくるのです。

それでは「心理的要因」と言っても、心因的要因がどのように健康や病気になるのかをご説明します。

心因的要因と病気や健康との関係性(直接・間接的経路)

先ほどのオグデン教授は

「心理学と健康の間における 直接的経路 (direct pathway) と間接的経路 (indirect pathway) のどちらも考慮する必要性がある。直接的経路 (direct pathway) は生物学的文献の中から影響を受けており、間接的経路 (indirect pathway) は行動学的文献の中からより影響を受けている。(Ogden, 2017)」(図4)

と示しています。

これは、例えば、

同じ「ストレスを感じている」状態から、

直接的経路では、

  • 直接健康に影響が出てくる。
  • 過食をしてしまう場合等。

 

間接的経路では、

  • 「タバコを吸いたい」→タバコの吸いすぎによって肺がんになる。
  • パンを食べたい→アレルギーによって過食をうみ出す。
  • 過食、酒の飲み過ぎ→糖尿病、肝硬変、アルコール依存症等。

 

同じ「ストレスを感じている」状態から

直接的に過食をしてしまうのか?

間接的に過食を生み出してしまうのか?

どちらの経路も考慮する必要があるのです。

 

それでは、以上を踏まえて、知識を得たから、過食はを克服することはできるのでしょうか?

知識=克服?

先述のオグデン教授は、病気の知識を得ても必ずしも克服には繋がらないと、次のとおり述べています。

生物医学は、病気にかかったらその後どうなっていくのか?どんな行動をしたら病気になってしまいやすくなるのか?等の知識に重点を置く傾向があります。しかし、健康心理学では、人それぞれに様々な異なる関連があり、病気の重症度が高いか低いかや、知識があるかどうか?だけでは説明ができず、他の要素が病気の回復となる重要な役割を果たす必要があります。これらの要因には、認知、感情、期待、学習、仲間の圧力、社会的規模、コーピング、社会からのサポートなど、幅広い心理的要因が含まれています。(Ogden, 2017)(図5)

この中で、オグデン教授はタバコの例を出しています。

  • 喫煙が体に悪い影響があると知っている二人がいる中、一人だけが喫煙を止める。
  • 胸にしこりがあるのことを自覚している二人がいる中、一人だけが医者に行く。
  • 心臓発作を起こしている可能性がある二人がいる中、一人だけが半年以内に新たに心臓発作を起こすが、もう一人は完全に健康で、一ヶ月以内に働くことができる。

これはなぜなのでしょうか?

過食や過食嘔吐もそうですよね?

  • ダイエットをしても、摂食障害を煩う人もいれば、過食や嘔吐をしない人がいる。
  • 過食しても、嘔吐しない人もいれば、嘔吐する人がいる。
  • 過食嘔吐をやめても、体重の増加はいつか止まる人もいれば、そのまま体重が増え続ける人もいる。
  • 過食や過食嘔吐をしていても、すんなり克服してしまう人もいれば、10年20年以上…過食や過食嘔吐を続けている人がいる。

 

「あの人はそう言っていたのに….」
「あの人はこのやり方で克服できたのに….」
「私はなんでできないの?….」

そんな言葉を繰り返してはいませんか?

それは当たり前です。
あなたと全く同一の身体、考え方、境遇等….いないからです。

あなたにはあなたの身体、考え方、境遇等の要因…があります。

それを理解しない限り、過食や過食嘔吐を克服するのは、とてつもなく遠い未来と言っても良いでしょう。

ご自身のことを理解することを心がけてみてください。

 

しかし、今からご自身のことを理解しようと思っても、ご自身一人で理解し克服できるのは、ごく一握りです。もし、できるのであれば、既に克服していることと思います。また、そこまで症状が重くなったり長引いたりしているからこそ、当サイトにおとずれていらっしゃるのでしょう。

そのため、もし、ご自身で克服するのは限界があると自覚されている場合、第三者にサポートを依頼することをオススメしております。

 

第三者のサポートの中でも、

もし、

  • 対処療法ではなく、
  • 二度と過食や過食嘔吐をぶり返したくない
  • 根本から過食や過食嘔吐を克服し
  • ふつうの食事を楽しめる

 

そのようなあなたにあった解決策を求めていらっしゃる場合は

ぜひカショケアのプログラムにご参加することをオススメしております。

 

※ここでは、BioPsychoSocialモデルを掲げていますが、決してBioPsychoSocialモデルだけをすれば簡単に克服できるとは思っていません。
クライアントさんの人生は人それぞれです。生きてきた価値観や過ごしてきた時代、場所、行い、全てが同じ人はいません。目の前にいらっしゃるクライアント様が本当に克服できるのは?本当は何を求めていらっしゃるのか?という考えを元に、話し合って軌道修正をしながら克服をしていきます。

そのため、クライアント様の経験や意向などを考慮した上で、他にさらに良い理論や方法があれば、他と合わせたアプローチ方法や、さらに良い理論や方法へ変更していきます。

 

この世の中に、みんながみんなそれを行い全員が「100%〇〇だけをすれば」、「〇〇で簡単回復、克服します」というものはありません。それはあなたを顧客にしようとするためのセールストークに過ぎません。

あなたは、「〇〇だけで−5kg!簡単ダイエット方法」というテレビや情報で喰い物にされる必要はないのです。

カショケア
かとう あさか

 

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※References (参考文献)

Smith RC.(2002). The Biopsychosocial Revolution;Interviewing and Provider-patient Relationships Becoming Key Issues for Primary Care. Journal of General Internal Medicine. Volume 17(4); 2002 Apr,. Retrieved from https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1495036/#b1 (2018年3月3日)

厚生労働省(nd.)「摂食障害」, みんなのメンタルヘルス総合サイト. http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_eat.html (閲覧日:2018年3月3日).

Ogden, J. (2017). The Psychology of Health and Illness: an open access course. Academia.edu, July 2017.




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【レポート★『過食嘔吐が一番ひどい時から克服までの回復食生活レポート』〜前半】

こちらのレポートでは、かとうが、
• 何年前に過食嘔吐がひどくて、どんな食生活だったのか?
• 時系列で追っていく、回復していく過程の食生活。
• 過食嘔吐が始まる前の体重を基準にし、どのような体重の増減があったのか?
• 当時の過食症状は?
・なぜ当時その食事法を試してみたのか?
• 回復に向かった3つの共通点とは?(後半に記載、有料)

A4サイズ35ページにもわたる量で、前半を書きました。

 

一人の過食・過食嘔吐を克服した経験談を、この機会にどうぞレポート前半を手にとってみてください。